北九大 福大胴上げ阻止 九州六大学野球
■11季ぶり制覇へ 主砲が扉開いた がけっぷちに立たされた北九大をチーム唯一の4年生が救った。1点ビハインドの9回だ。先頭麻生が初球の変化球をたたき、左越えへリーグ戦通算7本目の本塁打。値千金の同点ソロで延長に持ち込むと、11回の勝ち越し打も麻生だ。1死一塁から右中間に適時二塁打。今度は外角直球を逆らわずにはじき返した。 あと三つのアウトで福岡大に優勝を奪われていた。「今季の最初は調子が悪くて迷惑をかけた。きょうは、いい場面で打てて良かった」。ラストシーズンという思いが強いあまりに「打席で狙い球に迷いがあった」と振り返る。9回の打席は「初球に緩い変化球がくる」と読み、自信を持って振り抜いた。 投げてはエースの小山が3ラン被弾の3失点に抑えて5安打完投。139球を投げ抜いた。「小山が頑張っていたから勝ちたかった。最後まであきらめず、気持ちが切れなかったのが勝ちにつながった」と麻生。3日の2回戦に勝てば優勝決定戦に持ち込める。投打の柱がきっちりと仕事をこなし、11季ぶりのリーグ制覇への扉を開けた。
■1日にも殊勲打 北九大が2戦連続で福岡大に粘り勝ちだ。延長13回1死満塁。4番麻生の打球が右前で弾んだ。「無我夢中でした。落ちてくれてよかった」。一塁を駆け抜けたヒーローに、仲間が歓声を上げながら駆け寄った。 一つでも落とせば相手の優勝が決まった2連戦。延長11回にもつれた1日の初戦で同点本塁打と勝ち越し打を放った主砲が再び決めた。「競り合いに持ち込めば必ずチャンスはある」。徳永監督がナインに説いたように、2試合連続で序盤の劣勢をはね返しての勝利。大きな自信を手に同率首位に立った。 初回に先制本塁打などで2点を失ったエース小山も耐え抜いた。「制球が乱れて、調子はよくなかった。7、8回は本当にきつかったですが、それを乗り越えるとバランスがよくなった」。初戦と合わせて24回、314球を投げ抜いた。 優勝を懸けたともえ戦は11日。中2日しかないが、「ここまできたら行くしかない。大学でまだ優勝したことがないので、絶対取りたい」と小山は先発を志願した。北九大が一丸野球で、11季ぶりの頂点に挑む。 =2010/10/09付 西日本スポーツ= |